業務プロセスはどこまで自動化すべきか
適切な自動化の範囲は、業務の流れや各工程の確実性、担当者が判断・対応すべき事項を踏まえて決めます。

業務プロセスのうち、確実に実行できる部分を自動化し、人の対応が必要な工程や障害については担当者を明確にします。対象は一つの作業、引き継ぎ、複数の連続した工程、あるいはプロセス全体になることもあります。適切な範囲は、仕事の進め方と問題が起きた場合の影響によって変わります。
私たちはまず、会社が現在どのように業務を進めているかを確認します。これから始めたい業務であれば、実現したい進め方を説明してもらいます。新しいプロセスも、すでにあるプロセスと同じように検討が必要です。どの部分なら確実に実行でき、どの判断を責任ある担当者に任せるべきかを見極めます。
対象となる業務の流れを説明する
範囲を決める前に、開始から目指す結果までの流れを説明します。何をきっかけに始まり、どの情報が必要で、どのような作業や判断が続き、何をもって完了とするのでしょうか。
人やシステムの間で行われる引き継ぎも含めて考えます。一つの作業だけを見ると簡単でも、次の工程では不完全な依頼を解釈したり、例外的な状況を受け入れてよいか判断したりする必要があるかもしれません。こうした依存関係が、自動化の開始地点と終了地点を決める手がかりになります。
新しい業務の進め方を取り入れる場合も、同じ観点で目指すプロセスを説明します。先に手作業の仕組みを作る必要はありません。ただし、目指す結果、必要な判断、それぞれの判断を担う人を明確にする必要があります。
実際の業務に合った範囲を選ぶ
入力が明確で結果も定まっている作業なら、その一つを対象とするのが適切な場合があります。情報を人やシステムの間で渡す必要があるなら、引き継ぎが有効な区切りになることもあります。連続する複数の工程を確実に実行でき、工程間の連携も明確なら、それらをまとめて対象にできます。
プロセス全体を自動化できる場合もあります。その場合は、工程をつなぐ判断や依存関係を含め、全体を評価します。最初の工程が確実に進んでも、プロセス全体が目指す結果に届くとは限りません。
プロセス全体を確実に完了できる見込みが十分でなければ、私たちは通常、提案する範囲を小さくします。一つの工程に人の対応が必要でも、その前後の工程は自動化できる場合があります。その判断の前後に範囲を設ければ、担当者が対応した後にワークフローを再開できます。
具体的な例として、仮に社内の購買申請を考えてみましょう。システムで必要事項がそろった申請を記録し、該当するマネージャーに回すことができます。承認するかどうかの判断は、マネージャーが担う形にできます。承認後は、別の自動処理で申請を購買担当チームに渡せます。必須情報の不足や引き継ぎの失敗があれば、指定された担当者に知らせます。適切な範囲は、こうした工程や引き継ぎを確実に実行できるかどうかで決まります。
人が関わる役割を明確にする
想定する自動化で確実に完了できない工程は、人が担当します。プライバシーに関わる作業や、失敗したときのリスクが大きすぎる判断も、人による対応が適切な場合があります。具体的なプロセスとその影響を踏まえて判断します。
担当者が何を判断し、どの情報を必要とし、その回答によってどう業務が続くのかを定めます。人の対応にも自動化の工程と同じ明確さが必要です。問題を認識し、行動できる人を決めなければなりません。業務を続けられるかどうかは、その人が情報と権限を持ち、対応できることにも左右されます。
ワークフローソフトウェアは、このような進め方を支援できます。たとえば、AWSは人の承認を待つワークフローについて説明しています。これは、自動処理と人の判断を組み合わせる方法の一例です。適切な仕組みは、関係するシステムによって異なります。
例外への対応も範囲に含める
必須情報が不足している場合、処理が完了しない場合、または工程が止まった場合に、ワークフローがどう動くべきかを決めます。何を停止し、担当者にどの情報を見せる必要があるかを明確にします。担当者が問題を解決し、プロセスの再開方法を判断できるようにする必要があります。
例外ごとに担当者を決めます。何に注意が必要かを理解し、次の行動を取れる人がいて初めて、通知が役立ちます。したがって、自動化の範囲と人の責任を合わせて検討します。
想定する範囲を書き出す
次のように簡潔にまとめると、具体的な検討がしやすくなります。
- プロセス:何をきっかけに作業が始まり、何をもって完了とするか。
- 自動化:どの作業、引き継ぎ、連続した工程を自動で実行するか。
- 人による判断:何を担当者に任せるか、その理由は何か。
- 例外:何を通知し、誰が対応するか。
- 再開方法:判断や障害の解消後に、どのように業務を続けるか。
この説明をお持ちいただくか、現在の業務の進め方をお聞かせください。実行中、またはこれから導入するプロセスに合わせて、適切な自動化の範囲を検討します。